感動の歳事記
▼11月3日
愛宕山初登山
仕事で標高924mの愛宕山に登ることになった。愛宕山は、東の比叡山と並んで平安京を鎮護してきた山。山城と丹波の境に位置し、比叡山とともに京都の天気を知らせてきた。山頂には「お伊勢さんに七度 熊野へ三度 愛宕さんへは月参り」と歌われる愛宕神社がある。
登山コースは大きく分けて、清滝からと水尾からの2つがあるが、今回は清滝の方から登ってみることにした。初めて登る人にはかなりきついとされる愛宕山。通常の健康な人で約2時間程度かかるといわれている。
鳥居をくぐり、いざ出発!と、思ったのもつかの間。登山口から急な階段が30分ほど続く。途中「お助け水」と書かれた札のところで水を飲む。とても柔らかく、味わいたっぷりの山の水である。あまり飲むと汗をかくので唇を濡らす程度にして「二十五丁目」まで踏ん張る。
時は秋。山は赤とオレンジと黄という何とも見事な自然の彩り。紅葉が広がる。
あたごさんで親しまれる愛宕神社は、火の神を祀り、古くから防火鎮火の信仰を集めており、2歳までに参拝すると、その子は一生火難から免れるといういい伝えがある。この日も日曜日と言う事もあってか、たくさんの子供たちが両親に援助されながら登っている姿が数多く見られた。
毎年7月31日夕刻から8月1日早朝にかけて参拝すると1000日分のご利益があるとされる千日詣りは、夜通し多くの参拝客が訪れる。
参拝客は「火迺要慎(ひのようじん)」とかかれたお札と山中に群生する樒を持ち帰って火災除けにする。
登り続けること1時間。七合目にさしかかると、急に温度が下がる。あたりはすっかり雪景色である。枝につもった雪が陽の光を浴びて、ボサッという音をたてて落ちる。すかさずリュックにビニールのカバーをかけ、持参の傘をさす。同じ日に登った山とは思えない景色。秋と冬の愛宕山を見た。運動不足の身体には確かにこたえる。途中でリタイヤする人も多いと言うが、やはりここまで来たからには登るしかない。しかし足取りは段々重くなる。雪が降ってくる。この八合目あたりは「がんばり坂」と名付けられているらしい。
うっすらと門が見えてくる。
このあたりから、行く道が見えるなだらかな坂が続く。気温は2度。山頂は恐らく氷点下だろう。後で聴いた話によると今年は例年より1ヶ月早い雪だと言う。初めての愛宕山でしかも雪。全くの予想外である。
ようやく社務所に到着。お手洗いはここしかないというので、要を足す。
水は冷たく、手と足に感覚がなくなっている。山頂までいけばきっと暖がとれると信じ、一気に登る。
愛宕神社と書かれた鳥居をくぐり、やっと山頂。
温かい薪ストーブが「よくがんばったね」といわんばかりに迎えてくれる。
所要時間約2時間。写真を撮りながら登ったにしては、いいタイムかもしれない。
「下りは十分注意して降りた方がいいよ」と、すれ違い様に登山慣れしたおじさんが親切に声をかけてくれる。ありがたい。下山は足ががくがく震えて、案の定、翌日は、もものあたりからふくらはぎがカチンコチンになっていた。辛い登山だった。が、今はとても爽快な気分。感動!である。やればできる!である。実は愛宕山に行く道中、少し雨が降っており、山頂を見ると白く雪が積もっていた。ゲッと思いながら、心のどこかで「今日はやめておこうかな」と秘かに思い、車を走らせていたのである。だから余計に登山を終えた今は爽快なのである。また、機会があったら登りたいと思う。今度は中2のやんちゃ息子を連れて。
ここでひとつ登山を終えて感じたことを書き残しておこう。
『目標が自分の中ではっきり見えれば、その時点で目標はゆめではなく現実の物になる』ということ。
愛宕山から、忘れかけていた大きな収穫を得た。
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